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火星に1人?このうえなく絶望的な状況からはじまる物語、『オデッセイ』を観てきた感想

火星に1人?このうえなく絶望的な状況からはじまる物語、『オデッセイ』を観てきた感想

リドリー・スコット監督の『オデッセイ』を観てきました。原作のSF小説『火星の人』が傑作過ぎて映画化はうれしいのが半分、大丈夫かいなと不安も半分でしたが、「大丈夫です!」原作厨も納得の出来栄えです。

あらすじ

火星探索ミッション中、大砂嵐の発生でクルーは退避を試みるが、折れたアンテナがクルーの1人(マーク・ワトニー)に直撃、そのままどこかへ飛ばされてしまう。クルーはワトニーが死んだと判断し火星から旅立つが…ワトニーは死んではいなかった。

地球から2億2530万キロ離れれた火星にたった1人、次回の火星有人ミッションは4年後、外気温–55℃、酸素なし、水なし、通信手段なし、このうえなく絶望的な状況でのサバイバルがはじまる。

みどころ

決してあきらめない男、マーク・ワトニー

あらすじでふれましたが、このうえないくらい絶望的な状況におかれた主人公マーク・ワトニー。あまりの希望のなさに暗くシリアスなムードな映画かと思いきや、スーパーポジティブ思考で火星ライフを満喫、この男ノリノリである(マット・デイモンがゴールデングローブ賞のコメディ部門を受賞したのも納得)。絶望的な状況でもユーモアを忘れず、どんな困難でも決してあきためない、ワトニーというキャラクターはとても魅力で応援したくなります。

なければ作る!のDIY魂

必要なものは自分で作るしかない!あるものを組み合わせてさまざまな課題を解決していくサイバイバル術がおもしろいです。地球にいるNASAのスタッフたちも知恵を絞ってワトニーを手助けします。そのアイディアはどれも驚きの連続です。

NASA全面協力のリアリティ

本作はフィクションですが、NASA全面的に協力のもと、物語はリアリティあるものに仕上がっています。宇宙服、居住施設、ローバー、イオン推進装置など、NASA認定の最新の科学技術が描かれています。特にイオン・プラズマエンジンが映画で描かれるのははじめてなんだとか。ハードなSFファンもきっと楽しめます。

感想

原作は、アンディー・ウィアーの処女小説で、自分のサイトにアップしていたものが話題になって、あれよあれよいう間にハリウッドで映画化されることになったようです。書店ではじめて手に取ったときはあまりの分厚さ(592ページ)に一瞬躊躇しましたが、読み始めたら最後までペロリ、一気に読み切ってしまうおもしろさでした。どこかで「文系でもよくわかるSF」って書かれてた記憶があるけどまさにその通り、SF初心者でもスルスル読めちゃうはずです。(現在は上下巻になってるみたい)

映画は原作に忠実なんですが、尺の関係か、1つ1つの問題解決のプロセス(どれくらい深刻な状況なのか、なにをきかっけに、どう解決に至ったのか)が少しはしょられ過ぎて軽いなーと感じるところがありました。それでもラストは原作を知っててもウルってくるものがありましたけどね。もっと詳細(描かれなかった困難も)を知りたい人はぜひ原作も読んでみてください。

1月は観たい映画がなくて本作が今年1本目の映画館観賞でしたが、1本目から大当たりで幸先が良い感じです。

そうそう、最後にどうでもいいことを1つ。冒頭ではふっくら(というかマッショ)だったマット・デイモンが、長いサバイバル生活でだんだん痩せていくのがすごいなーって思っていたら、これはCGなんだとか。(本人は実際に絞る気マンマンだったそうです)

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