著者/訳者:山本 弘
出版社:角川グループパブリッシング( 2008-09-25 )
定価:¥ 1,890
Amazon価格:¥ 1,890
単行本 ( 357 ページ )
ISBN-10 : 4048738844
ISBN-13 : 9784048738842
先日ぶらっとジュンク堂に立ち寄ったら山本弘の『詩羽のいる街』が置いてあったので速攻で購入、一気に読破しました。山本弘は『シュレデンガーのチョコパフェ』で知り、『アイの物語』でファンになり、以降『アリスへの決別』などを読みました。
本作は、本来ならば交流のなかったでろう他人同士をひきあわせ、出会った人たちにやりがいや幸福をもたらす、まるで触媒のような役割を演じる1人の女性の日常を、4人の視点から描くオムニバスドラマです。宇宙人・タイムトラベル・パラレルワールド・超能力・ロボット…そういった非現実的な要素を一切排除して、なおかつSFは成立するのか?という命題に挑戦し生まれたのが、この「現代日本を舞台にして、普通な人間には不可能な生き方をしている女の子の話」なのだそうです。
本人は意識していないけど、人間はみんな頭の中にBGMが流れてる。その場にふさわしいと、その人が勝手に思っているBGM。沈みこんでいる人は悲しい曲、浮かれている人は明るい曲。だから、同じ時、同じ場所で、同じものを見ていても、そこから受ける印象は人によって違う
「他人に親切を届けるのが仕事」と語るヒロインですが、他人を幸福にすることが目的でありながら、それらの行為を愛や正義に基づいたものではなく、固定観念や感情に流されない論理的な判断によるものとしているところがおもしろいです。論理的に奇跡を描いた物語っていう評価もうなづけます。『アイの物語』同様、読後はあったかい気持ちになります。
本作を読んで、やっぱり山本弘の作品にハズレはないって結論になったので『神は沈黙せず<上><下>』と『去年はいい年になるだろう』の3冊をAmazonでポチりました。届くのが楽しみです。





