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戦争礼賛のプロパガンダ?それとも反戦映画?『アメリカン・スナイパー』を観てきた感想

イラク戦争中、160名以上の敵を射殺し「悪魔」と恐れられた米軍最強の狙撃手クリス・カイルの自叙伝『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』をクリント・イーストウッドが映画化。アメリカでは戦争映画最高の興業成績となる話題作ってことで、戦争モノは苦手ですが観に行ってきました。

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あらすじ

アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズのスナイパー、クリス・カイル。カイルはイラク出征中、卓越した技量で多くの仲間を救い、やがて仲間からは「レジェンド」と称賛され、敵から「悪魔」と呼ばれるほどの存在となる。国では愛する家族がカイルの帰りを待つが、終わりのない戦争は、何度なくカイルを戦場に向かわせる。そして、少しづつカイルの心を蝕んでいく…

みどころ

ブラッドリー・クーパーの役作りがすごい

なんかチャラい役ばかりやってるイメージのあるブラッドリー・クーパーが主演って知ったときは大丈夫かよと思いましたが、本作の彼の役作りはすごいです!

まずはムキムキのマッチョボディに驚きますが、なんと4時間のトレーニングと1日5食の食事で18kg近い肉体改造をしたんだとか。さらに実際のネイビーシールズの訓練に参加するなどしてリアリティを追求したそうです。映画を観たあとでクリス・カイルの写真を見たけどかなり雰囲気似てますね。

甘いマスクな分だけ虚ろさと狂気が映えます。

羊と狼と番犬

「いいか。人間には3種類しかいない。羊と犬と番犬だ。」カイルが父親から教えられる言葉です。

いじめっこ(狼)から弟(羊)を守る兄(番犬)、敵国(狼)から国民(羊)を守る兵士(番犬)、さまざまな危険(狼)から家族(羊)を守る父(番犬)、さまざまな立場で番犬であろうとしてきたカイルですが、いつのまにかゲリラ(羊)を狩るスナイパー(狼)になっています。羊を守る番犬でありたいという思いが彼を戦場に行かせるのでしょうか。

戦争礼賛のプロパガンダ?反戦映画?

160人以上も射殺した伝説のスナイパーが主人公、アメリカ視点のみで描かれる本作はアメリカのプロパガンダ映画なのでしょうか。帰国しても戦争の後遺症に悩む主人公と家族、他のPTSDの兵士たち、そしてラストの悲劇。カイルは本当にヒーローなのか。そこは名匠イーストウッド監督、アメリカ万歳なおバカ映画を撮るはずありません。

個人的な感想

イーストウッド監督といえば『ミリオンダラー・ベイビー』というとんでもなく重い作品があるので、戦争モノだし今作も重過ぎるやつだったらどうしようという一抹の不安がありましたが大丈夫、R15指定ですが特別グロいシーンもありません。

スコープ越しのシーンは緊張感があり、淡々とした展開のアクセントになり、テンポよく観れます。その分、衝撃のラストと無音のエンディングロールは心をかき乱すのに充分な効果があります。

カイルはなぜ何度も戦場に戻ったのか。それは使命感、責任感なんでしょうか。狼ではなく、番犬であろうとした苦悩、守ること(守りきること)の難しさを痛感します。

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アメリカン・スナイパー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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価格: ¥ 994

著者: クリス・カイル, スコット・マキューエン, ジム・デフェリス

クリエーター: 田口俊樹・他

出版社: 早川書房

出版日: 2015-02-20

商品カテゴリー: 文庫

ページ数: 520

ISBN: 415050427X

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