遅ればせながら『インセプション』を観てきました。『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン監督作ってことで期待していったのですが、映像、音楽、シナリオ、いずれもハイクオリティーで見応えのある作品でした。148分間と長めですが、時間を忘れてどっぷりとその世界に浸かっていられます。CG多様な昨今、極力CGを使わずに撮影され、ありえない映像が続く夢の世界にリアリティーを与え観客を魅了し、またいい意味で混乱させます。
ただし、ストーリーは難解です。他人の頭の中(夢の中)への侵入することができるSF設定に加え、夢の中でさらに夢の世界を構築するといった夢の階層があったり、その下層に進むほど現実と夢の間で流れる時間のスピードが異なったり、夢の中で死ぬと目が醒めたりといった夢の世界のルールを理解しないといけません。前半はチュートリアル的に進むので徐々に理解すればいいのですが最後に用意されているのは難解な応用問題です。詳細まで理解しなくてもなんとなく設定が理解できた人はおもしろいと感じる作品だと思いますが、苦手な人には何が起きているのかさっぱりわからない苦痛な作品かもしれません。
あらすじ
人が最も無防備になる状態(睡眠時の潜在意識)に夢を通じて侵入し、その人のアイデアを盗み出すという犯罪分野におけるスペシャリストのコブ、そんな彼が自分の人生を取り戻すために「インセプション(アイデアの植え付け)」といわれる最高難易度のミッションに挑む。
公式サイト
予告編
ネタバレな感想
コブ(レオナルド・ディカプリオ)がしきりに「これが終ったら家に帰るんだ」的なセリフを言っていますが、これは明らかに死亡フラグです。生き残れるわけありません。最近のディカプリオはどうもうまくいかない夫婦の話が多い気がしますが、今回も奥さんのために苦悩しまくりです。
なんて冗談はさておきラストシーンでコブは無事現実に戻れたのか、それとも虚無に囚われてしまったのか、その解釈をめぐってネット上で様々な議論がくりひろげられているようです。素直にハッピーエンドと解釈したい気もするし、トーテムが回り続けているのは夢だということを示しているんじゃないかとも思えるし悩ましいところです。
そこで、こうは考えられないでしょうか。
インセプションされた(アイデアを植え付けられた)のは観客ではないか?
一応ハッピーエンドの形で幕は閉じたものの、もしかしてまだ夢の中なのじゃないかという考えが頭に残ります。そして、トーテムが止まりそうな気配はあるものの回り続けたまま映像がおわること、夢の1層でコブとサイトーが目覚めるシーンがないことなど、まだ夢の中にいることを証明できる事柄を必死で探してしまいます。一度浮かんだアイデアは容易に打ち消すことができません。まんまとやられたって感じがします。



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